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新型コロナウイルスが 不動産業界の各所に及ぼす 影響は?現場担当者から生レポート
カテゴリ:防災情報  / 投稿日付:2020/03/30 15:58

猛威を振るう新型コロナウイルス。日本の各産業が甚大な被害が出る中で、不動産業界全体にも影響を及ぼしている。毎週不動産業界の情報を共有する回で今回は第3弾。

(この記事は約3分で読めます)

目次
概要
建築資材の納品遅れや欠品
飲食店、サービス業の販売不振による、テナント解約
テナント解約が増えると、どうなるのか
不動産業界は解雇、雇い止めがすぐに起きる業界

今後、さらにどうなる?




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概要


問題となっているのは、建設業及び不動産売買市場において、建築材料の未入荷が目立ちます。また、外出自粛要請により、飲食店やサービス業の売上不振も大きくなってきています。

併せて、不動産業界内での雇用問題が明白化しており、非正規雇用の解雇や雇い止めについても併記します。



建築資材の納品遅れや欠品



土地を買い、建物を建てる。そして、住む。

しかし、その建物を作る建築材料が、外国製品(中国やフィリピン、ベトナムなど)であることが多いため、水回りを中心に納品がされず建物が完成しない問題が起きています。

トイレや、洗面台などは中国製が多い中、現地中国では現在も生産ストップがかかっています。そのため、

・新築物件、リフォーム物件の着工(施工)完了が遅れて、申込がキャンセル

・リフォームが間に合わず、契約キャンセル


という事態が起きています。

また、今住んでいる住居の水回りに問題が起きて(水漏れ等)、リフォームをしたいが、部品がない。そのため、強制退去を余儀なくされる。

ということも起きています。



飲食店、サービス業販売不振による、テナント解約



外出自粛要請により、家でご飯を食べる機会が増えました。逆にいうと外食が減りました。つまり、飲食店は売り上げが下がります。そして、資金繰り悪化で、お店を閉める店舗が徐々に目立つようになりました。

私の肌感覚では90%以上の飲食店の店主が40%以上は売上がダウンしていると言っています。今回の例は、手元資金に猶予がない状態で突発的に起きたことであるため、今月の材料が買えない、給与が払えない。という声が上がっています。

同様に、サービス業も余暇を満喫するための業種であるにもかかわらず、来店客の激減により売上が減少している模様です。

一次的なものであれば、そこまで耐え凌ごうという判断をオーナーがして、つなぎ融資などをします。しかし、先行き不透明なうえ、現況不満が肥大すれば、撤退戦略に切り替えます。

撤退戦略の基本は、ハイスピードなテナント解約というわけです。



テナント解約が増えると、どうなるのか



外的要因(震災や薬害)のテナント解約が多発すると、新規契約もされない店舗や事務所が増え、空室が多くなります。そして空室期間が長くなります。

当然オーナーは、家賃減額交渉に応じたり、初期費用を減額をします。つまり、東京のテナントの坪単価がみるみる下がっていく現象が波紋のように広がります。家賃が下がると、資産価値が下がり、それを懸念するオーナーは資産価値が下がる前に売りに出します

そうなると、バブルがはじけるように、物件価格とJ-REIT(不動産投資信託※)はどんどん下がっていきます。

※投資者から集めた資金で不動産投資をし、賃料収入や売買益を配当する金融商品

ひいては、首都圏の不動産価値は下がる一方ということです。
2020年3月30日現在では、まだバブルははじけていません


不動産業界は解雇、雇い止めがすぐに起きる業界


不動産業界は基本的には、売上項目が以下のものしかありません。


①仲介手数料:不動産賃貸、売買

②転売益  :不動産売買

③管理手数料:不動産管理


この中で、新型コロナの影響を受けやすい売上項目は、「①&②」です。

つまり、不動産市場が停滞すると、購買意欲がなくなるため、流通がとまります。そして、手数料収入が大半である不動産業は、人員が費用の大半です。その費用(原価)が、売上を生まないため、費用削減(リストラ等)をします。

実際にリストラとなると、労使間でのトラブルがありますが、雇用契約書には、雇用契約解除の要件としてほぼ下記のような文言がデフォルトで記載されています。

(1) 事業の縮小、事業所等の閉鎖、その他やむを得ない経営上の必要が生じたとき。

(2) 天災事変その他やむを得ない事由により、

事業の継続が不可能となり雇用を維持することができなくなったとき。

シンプルにいうと、雇えなくなった理由が世の中的にどうしようもない時は雇用契約解除はできる。ということです。

とはいえ、これは雇われる側からすると、「俺たちの生活はどうなるの!?」という不安感があります。

そうならないように、政府は、個人でも生活費を目的として「無利子・無担保融資」の融資制度を始めました。本内容は別記したブログを後日アップします。



今後、さらにどうなる?


今後数カ月の間に不動産業界で下記のことが起きることが予想されます。

・物件価格及びJ-REITの下落

・家賃滞納者の増加により、保証会社の審査がさらに厳しくなる

・賃貸住宅のリフォーム代金の上昇により、家賃相場が高くなる

・金融機関の貸し渋りにより、分譲投資市場が冷え込む


・不動産営業担当のノルマが厳しくなり、高圧的な営業マンが増え、借りる側が消極的になる


・ロックダウン(都市封鎖)になり、店舗運営ができなくなる。ITリテラシーが低い店舗型不動産会社は売上が激減する


・対面式の重要事項説明ができない
ため、根本的に市場が崩壊する(IT重説等の実務上の緩和施策がない限り)。


などです。上げたらキリがありません。逆に考えると、ネガティブな事を社内全員でブレストして、早期に対策を立てれば乗り越えられる範囲です。

今こそ、ワンチームが試されるときです。


エース不動産もチーム一丸となって、この危機を乗り切る所存です。

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